Gallery - Contact

『Contact』

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「やあ」

「無視すんなって」

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「どう?」

「カサカサしてて… ペンキ臭い…」

(喋った!?)

「せやな」

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…聞こえる

(白色雑音)

連れてって もっと遠くに…

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「おい2P(ヘルパー) 諦めんなよ」

「あっ… 死んだ」

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「そういや死んだ生き物の目って■色になるんやってな~」

「ほんまか? それ」

「大丈夫!! 私がコンティニューさせてあげよう」

「ああ もういいよ… 私となりで見てるから」

「おや? いらっしゃ~い」

「お前も観戦かい?」

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「猫になりてえ」

「お姉ちゃん ゲーム"は"上手いよねえ」

[いや~それほどでも~。]

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「にゃ~ん みたいな…」

「どしたの? 元気ないね」

「元気ないってみんなそればっかり… あの薬ならちゃんと飲んでるよ 先週までは…」

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「おっ! ほえ~ 最終回まだ観てなかったんだよねえこれ」

「一緒に観よっ」

「お姉ちゃん… "それ(VHS)"はもう再生できないんだよ お姉ちゃん… なーんにも知らないんだね」

「いや~それほどでも~」

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「やめてよ… それ」

違う

「もうやめようよ そうやって誤魔化すの」

こんなこと言っちゃいけない

「そうやっていつもいい人のフリして お姉ちゃんのそういうところ… ほんっと嫌い」

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「すまねえ 手がすべっちまった」

まあ―― あんたがそんなに喧嘩したいっていうなら

付き合ってやるよ

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「ねえ 今どんな気持ち?」

「いつもこんな感じだっけ? …思い出せない」

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"――震度6弱を観測した先日の地震により製油所内にある貯蔵タンクから原油が漏れて火災が起きています 現在 製油所と市の消防本部が消火にあたっていますが――"

「もしもし?」

「お姉ちゃんにメール送っとくか」

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「ちょっとこっちおいで」

「どしたの? おばあちゃん」

「お姉ちゃん… ちょっと具合悪いって ――病院(医科大学附属病院)行くよ」

(――だって 昨日お見舞いに行ったばっかりじゃん)

「ほら早く支度して」

(めんどくさいなあ)

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(中略)

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「ああ…… 海でも見に行くか」

「こんな時間に? 何も見えないでしょ」

「ちょっと ――気晴らしにさ ほらあそこ なんか明るくなってるの 気になるんだよなあ」

「ただの明かりじゃない?」

「なんかイベントでもやってるのかな ちょっと見にいこう」

「お前も付き合ってくれるよな?」

「おうちに帰りたい」

お父さんもお母さんも疲れてるんだ

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一体どうやってここまで辿り着いたのだろうか お姉ちゃんがここにいる 私がよく遊びに来ていたこの部屋に

「お姉ちゃん この前言ってたよね」

「だから―― 確認してもいいよね」

確認しなきゃ…… 目の色

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あのバカ姉ェ… ――嘘つきやがった

私たち もう喧嘩もできなくなっちゃったんだ

嫌な気分だ

「お前もいつかいなくなっちゃうのかい 心の準備… しておかなきゃ」

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でも… 心の準備なんてできなかった

別れを意識する程 より過保護になってしまう

お母さんだって私のことを同じように扱っているんだ ――もう今日は寝よう

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どうしたんだろう さっきから何かを考え続けている

眠ろうとしているだけなのにこの"無意味な計算"がやめられない

もう少しでこの空間と一体になれそうな気がする

もう少し…

ん… これってあのときの

[キーーーーン]

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五月蝿い… 息が…

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目が…

「お姉ちゃん? ――どこ?」

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「えへへへ… ひっ 冷たいな」

思った通りだ こうした方がきれいだ

――この部屋は不潔過ぎる こんな環境に居たから私は汚れていたんだ

「いい匂い…」

「まだかなあ… 早く来ないかなあ」

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「なんだ―― そこにいたんだ」

「…えへへへ みられちゃった」

「…ほんと? 似合ってるかなあ?」

「…え?!」

「……お姉ちゃんって いつも右側から話しかけてくるよね」

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「さっきは ごめん…」

「その… 違くて…」

「おねえちゃんのこともっと知りたくて…」

「なんじゃそりゃ?」

「駄目? ――かな?」

「そんなこと一々訊かなくてもいいよ」

「ほら… これ これで納得してくれるかい?」

「あの… ロック外してくれないと…」

「テキトーに思いついた数字入れて見な? 楽勝っしょ」

"新着メールが4件あります"

(新着…?)

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昨日は揺れたでしょ?ケガしてないよね。あといつものアレ、ちゃんと録画してるよ。最近は学校から帰ってきたらすぐおばあちゃんちに連れていかれるから録画予約する時間がなくて忙しいよ。来週には退院するんだよね?帰ったら一緒に続きみようねzzzzzzzzzfwghkkkkkkkkk。(判読不能)

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「わからない 何が言いたいの?」

「こんなメール知らない 私は送ってないよ」

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「本当にあの頃から変わってない」

「私は私だよ?」

「そうじゃなくて… 身体が小さい もう私より歳上なのに」

ずっとこのままがいい ――ただ平穏に過ごしていたい

もっと絵の具がたくさん欲しい そうすれば色を見なくて済むのに

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しまった… こんな時間だ

これは第一歩 だから…

急げ… 急げ… 3倍で…

「う~ん おっかしいなあ」

「ビデオデッキが無い」

気長に行こう



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